雨の日のお買いもの

昨年の12月に脳溢血で倒れて以来、左半身に麻痺が残り今でもリハビリを続けている母がいます。いつも週末にはお見舞いに行ってます。

今日はかなり雨が降っていて肌寒い一日でしたが、私が病室に来て顔を見せた途端に母は、
「(隣の)ジャスコに連れて行って」
と言い出しました。

病院の隣には大きなショッピングモールのジャスコがあって、晴れた日には時々私と父で母を車椅子に乗せて出かけたりしているのです。
でも今日は雨がたくさん降っている上私一人だったので、連れてってと言われても良い顔ができませんでした。
それでも、リハビリが休みの日曜日でどこにも出かけられないとなると死ぬ程退屈なんだろうと思い、しぶしぶ外出届に記入を始めました。

受付の看護師さん達に申請すると、母の目の前で「こんな雨の日に出掛ける必要ないでしょ?」「風邪ひいても知りませんよ。」という言葉を浴びせられ、客観的に考えても正論は彼女達の方なのに、






かちん。






と、頭にキました。




身内である父や自分が説得してやめさせるならまだしも、他人である彼女達に母の気持ちを無下に否定されると非常に怒りが湧いてきました。
元々この病院のリハビリが辛いとよく泣く母ですが、些細な我儘をこんな風に言われていたらめげるのも当然だと思いました。

悔しくなった私は最初嫌々だったくせに、「やっぱりやめようか」とげんなりして諦めかけた母をむしろ「いや、このくらいの雨平気だから行こうよ」と看護師さん達の反対を押し切って連れ出しました。

こういう頑固な所は親に似てるんでしょーかね。

車椅子を押しながら傘を差すのは大変でしたし、父なしで信号を二つ渡るのも苦労したし、足はびしょ濡れになって寒かったですけれど、


外出の際に大き目の傘を貸してくれた受付のおじさんや、
母の車椅子で足を轢いてしまったのに「いいの、いいの」と言ってくれたおばさんや、
エレベーターのボタンを押し続けてくれたお姉さんの、

皆の気遣いが何時もより大きく感じられるようでした。

その場で一度反対されたとしても、場所が変われば協力してくれる人も出てきて、何事もやってしまえばこっちのモノなのかなーと改めて感じられました。


母の選んだお饅頭二つを買って病室で二人で食べました。
美味しそうにお饅頭を食べて、
「迷惑掛けてごめんね」「楽しかったよ」
と母が言ってくれたので、
大変な思いをしてでも出かけて良かったと思います。

今度はちゃんと晴れた日に行って、アイスクリームを一緒に食べたいですね(^v^)